二人で横浜Walker⑦
サタンとカーバンクルの二人で横浜Walkerな旅、第七話です。
横浜シティウォーク5kmの道のりを、ぶっちぎりの遅さで進むサタンとカーバンクル。
既に時間のない中、普通の公園での思わぬカーバンクルの足止めで、30分も無駄に食ってしまいました。
時刻は15:00。
ここまで来たらもうチェックポイントが無くてもいいんじゃないの?
と思う人がいるかもしれません。
それでも、サタンには急ぐ理由まだが一つだけあったのです。
それは、ゴール付近の道案内のお姉さんです。
なんだかんだで、この横浜シティウォークに4回目の参加になるサタンは、過去の経験からある法則に気づいていました。
横浜シティウォークは、5kmから30kmまで複数のコースがあり、参加人数が少なくとも千人はくだらない大イベントです。
当然、道案内の人もたくさんいらっしゃいます。
ゴールから離れた場所にいる道案内の人は、ジジイとババアご年配の方が多いです。
でも、ゴール付近になると突然、道案内の人が、チェックポイントの人が、すごく可愛いお姉さんが増えるんです。
お姉さん達がいるのは、ゴールでは無く、あくまでゴール付近です。
彼女達の役割は、単なる道案内ではありせん。
数時間に渡って、長い道のりを頑張って歩んできた参加者たち。
長い戦いで積み重なった疲労、足は痛み、気力も限界、参加した事を後悔すらしてしまうこの終盤で、可愛く美しい横浜ガールズ達の応援を受ける事で、参加者たちは癒やされて、最後の戦いに挑むことができるんです。
そんな運営側の粋な計らいにサタンは気付いていたのです。
そうならば!
運営のみなさんがそこまで言うのなら!(←言ってない)
今年のミスシティウォーク案内さんを拝まずに、サタンがこのまま帰る訳にはいかないじゃないか!
さて、ようやく横浜市役所に到達しました!
いよいよ最後のチェックポイントです。
サタンは間に合ったのか?
果たして、そこにチェックポイントはまだ残っているのか?
期待と不安の入り混じった気持ちでそこへたどり着きました。
えっと...明らかに片付け始めてます。
って言うか、関係者がもう3人しか残っていません。
横浜ガールズは?
ミスシティウォークは!?
サタンの疲れを癒やす彼女たちは何処へ!?
でも、かろうじて、本当にかろうじて、チェックポイントの形が残っていました。
「スミマセン、はんこ、お願いします」
サタンの顔を見て、お兄さんは一瞬驚いた表情でした。
『まさか、この時間にチェックポイントに来る奴がまだいるなんて!』
と言う表情でした。
お兄さん
「...参加者の方ですか?
ちょっと待ってくださいね」
参加者じゃなければ何なんだ。
通りすがりのオッサンが見ず知らずのお前にハンコ押してくれって頼むのか?
そう思ったサタンですが、笑顔は崩しませんでした。
お兄さんは鞄の中を探り、中からハンコの入った袋を取り出しました。
(こいつ、既にハンコを片付けてやがった)
そう思ったサタンですが、笑顔は崩しませんでした。
ハンコを押しながら、お兄さんは言いました。
「この先は、もうゴールまで案内の人はいないので、気をつけて行ってください」
それは知ってる。
サタンはここまで案内の人の助けなしに歩いて、途中で迷子になりました。
そう思ったサタンですが、笑顔は崩しませんでした。
「この先の道をずっとまっすぐ行って、
広場みたいな所が来たら、右に曲がってください。
まっすぐ行って、スタート地点と同じ馬車道駅がゴールになります」
「はい、わかりました!」
返事のいいサタンですが、
頭の中は、会えなかった横浜ガールズの事でいっぱいでした。
やっちまった...。
さようなら、会えなかった美しい美女達。
顔を見ることもなかったミスシティウォークに別れを告げて、サタンは疲れた体を引きずって、最後の道を歩き出しました。
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