恐い夢（3）
サタンです。
前回の「怖い夢」をスキップした人、ごめんなさい。
「恐い夢」の話が、当初のサタンの予想を超える長い話になってしまいました。
今回も、前回の恐い話の続きになりますので、興味があるけど前回の話をまだ読んでない人は、まず前回の話から読んで下さい。
この手の話が苦手な人は、この続きは読まないでください。
良いですか？
良いですか？
じゃあ、続きを話しますね。
サタンは、小学校4年生からの数年間にわたり、繰り返し見続けたこの夢の中で、やがて徐々に「人間が人形になる」ルールが分かってくるようになりました。
絶望した人や、気力を失った人、助かるのをあきらめた人、そういった人達が、人形になる。
そして、人形になった人は、絶対に元の人間には戻せない。
例外はありません。
人形になった人が元に戻る夢は、結局一度も見れませんでした。
ある日の夢で、サタンは、同じクラスの友達C君と一緒に「何か」から必死で逃げていました。
誰でも子供の頃は、何か正体が不明なモノに追いかけられる夢というのを、よく見るものらしいですが、サタンの夢は普通とは少し違いました。
一緒に逃げているC君が、どんどん弱っていくんです。
C君は、クラスでもそんなに足の早いほうではありませんでした。
（だめだっ．．．！
このまま走ってると．．．！、）
このままでは、C君が人形になってしまう、サタンはそう思いました。
クタクタになっているC君を引きずるようにして、何とか小学校に駆け込んだサタンは、学校のトイレに身を隠しました。
C君は青い顔で、ぜぇぜぇと苦しそうに息をしながら、尋常ではない震え方をしています。
サタンがうつむいたままのC君の背中をさすっても、震えは止まりません。
「だめだ．．．」
C君から、弱々しいかすれ声がもれました。
「だめだ．．．サタン、
僕、もう．．．」
「だめじゃない！」
サタンは、C君に言いました。
「あきらめちゃだめだ！
あきらめないでっ！！」
『あきらめ』は、人間が人形になるサインです。サタンは、何とかそれだけはくい止めようと必死でした。
でも、サタンの望みも虚しく、C君の口から、目から、耳から、爪の間から、徐々に血が流れ出てきました。
C君の血でサタンも血まみれになりましたが、でもサタンはあきらめずに背中をさすり続けました。
というのも、C君の様子を見ていて、サタンにはわずかな希望があったんです。
いつもよりも、血の流れが少ない気がする。
これは、ひょっとすると．．．！？
どのくらい、そうしていたでしょうか。
サタンがC君の背中をさすり続けていると、今までうつむいて震えて続けていたC君の背中の震えが、ふと止まりました。
「あ．．．」
C君のかすれ声は、いつの間にか元に戻っていました。
「C君！？」
「大丈夫だった、サタン。」
C君が返事しました。
（やった．．．！）
サタンは、喜びました。
「助かったよ、サタン」
C君はそう言って、顔を上げてサタンの方を向きました。
「半分だけ、助かったよ。」
Cくんの顔は、その鼻の部分から上だけが、真っ白な人形になっていました。
「ギャーーーーッ！！」
こんな感じのひどい悪夢を、
サタンはその当時に何度も、
何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度モ何度も見てイました。
怖くて、とても人には相談できませんでした。
最後に見たのがいつかは覚えていません。
中学に入った頃には、もう見ていなかったような気がします。
高校になって、初めて友達にこの夢の話をした時は、これで思い出してまた夢を見ちゃうんじゃないかと少し不安になりましたが、そんな事はありませんでした。
さて、ここまで長いサタンの夢の話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
この話は、ここまでになります。
少しだけ心配なのは、この話を読んで、想像力の豊かな人が、昔のサタンみたいに本当に「人間が人形になる夢」を見ちゃうんじゃないかと言う事です。
サタンはもう大丈夫ですが、少し心配です。
何かを忘れる能力というのは、人にとってとても大切な能力です。
皆さんがサタンの話を忘れて、今夜も良い夢を見る事ができますように。
本当は、まだいくつか「人形になる夢」の話はあるのですが、これ以上続けるとサタンのブログに普通の人が近寄らなくなちゃいそうなので、今回はもうここまでにしておこうと思います。
みんなに読んでもらおうと頑張ってるブログに、「この続きは読まないでください。」と書き続けるのは、サタンの本望ではないのです。
それに、皆さんお忘れかも知れませんが、そもそもここは、お受検ブログですから！！
でもまた、何か機会があれば話そうと思います。
サタンのお受験ブログ、受験とは関係ない「怖い夢」の話は、予定よりかなり長くなってしまいましたが、これにて完結です。
ところで、この怖い話を最後まで読めた人って、正直どのくらいいるんでしょうね？
ブログのアクセス数ではそこまでわからず、参考までに人数を把握しておきたいので、最後まで読めた人は、★をクリックするか、「読みました」だけでもいいので、記事にコメントを書いてもらえないでしょうか？
よろしくお願いします。
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～(,_ｕｕ
